2008年2月1日金曜日

野ウサギのラグー

カタカナでの使用と、英語での意味がかなり違うシリーズ。まず、ラグーとは言っても、あの瓶に入ってるパスタソースのブランドのことではなく、肉をベースにしたソース全般を指す極一般的なイタリア語なわけで、英語でもそのまま使われるが「パスタソースでしょ?」という人は英語圏にもいるのでまあ、その辺は。それと、今回のテーマで問題なのはgameという英単語である。これは、かなり日本語にならない。一般的にはもちろんスポーツのゲーム、遊戯、競技のようなことを意味するが、gameには「狩猟の対象となる動物と、その獲物」という意味があるのだ。料理の世界では大別して「羽のゲーム(雉子、山鳩、ホロホロチョウなども含む)」という鳥の類いと、「毛のゲーム(鹿肉、猪肉、ウサギなど)」に分かれる。鱒などの魚も、それが釣りという競技の獲物という範疇であればゲームに含まれることがある。

というわけでマーケットやご近所のお肉屋さんでも、比較的簡単に手に入るようになってきたゲーム。今回は野ウサギ丸ごと一匹入手した(というか、丸ごと一匹でしか売ってくれない)。小振りな方らしいが重さにして2.3キロ、臓物もレバーとキドニー(腎臓)くらいは残っている。皮を剥がれたその様は、ナウシカの巨神兵みたいにも見える。そして予想通りだが、匂いがキツい。はっきり言って腐肉の匂いである。挫けずジェイミー・オリヴァーの「Jamie at Home」のレシピとか、複数のレシピを参考に<ラグー>を作ってみる。基本はにんじんとカブカンラン(漢字ではおそらく「蕪甘藍」であろう。イギリス英語ではswedeである)みたいな冬の根菜とタマネギを炒めて、赤ワインで煮る。ジェイミーさんは白ワインを使って軽くしたようだが、先日のボルドーも残ってるし、伝統的なレシピでは赤を使うようだし、今回は赤にした。ひとつ興味深いのはこの、肉の匂いを取るのに加えるのがマーマレードということだ。猪肉にもオレンジピールを入れたが、ゲームにはオレンジの香りがいいのかもしれない。

パスタは、そんなわけで最近気に入っているカサレッチャだが、ニョッキもおいしいかもしれない。ジェイミーのレシピではパッパデッレという幅にして2センチ以上はあろうかという<山梨のほうとう>のようなパスタを使っていた。パスタも自分で作ってみたいんだよなー。

何ぶん、ベルリン出身の友だちが「私みたいな都会育ちにはちょっと」キツ過ぎる光景だと言って目を背けた野ウサギ、妻も「味はいいけど匂いがねえ」と半分も食べなかった野ウサギ。他の調理法も探りを入れてみようと思う。

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