定期的に、というほどではないのだが、購読している雑誌に「Monocle」がある。モノクル、片眼鏡なんていうと、ぼくなんかすぐ東京創元社、ポプラ社刊「奇巌城」、モーリス・ルブラン作アルセーヌ・ルパンなんかが頭にずらずら浮かんでしまうのだが、雑誌は怪盗とは全く無関係である。ところでこの「Monocle」は、ちょっとカテゴリーにはめにくい雑誌である。「片眼鏡」という雑誌名が象徴的に示すように、フィルターされた視点で国際情勢、デザイン、「人生の価値インデックス」みたいなことを取り上げてはいる。見た目も一見ビジネス雑誌で、本屋さんや駅のマガジンスタンドに行っても「The Spectator」みたいなカタい雑誌の横に並んでたりもする。ところがこれはフェイントで、毎号出ているので連載と言っていいであろう劇画タッチの漫画もあれば、東京シティエアターミナル行きのリムジンバスが特集されていたり、アフガニスタンの構造的に問題のあるナルシスティックな<お城風の一軒家>が出ていたり、軽く訳が分らない。ちなみにこのリムジンバス、車内アナウンスがMonocleのサイトから直接聞けるようにもなっている。どこまで本気なのか迷うところだが、どうやら編集部の人たちは大マジである。
最新号は第10号だが、表紙はご覧の通り新幹線だ。東京にも編集部があるらしいが、第8号にはタイクーングラフィックスの宮師雄一氏のインタビューが出ていたり、ポストモダンなスーパーのカタチとして東急のPrecceが紹介されていたりもする。エディトリアルだけではない。ものすごく上質の紙と精細な印刷技術で、手抜きは一切なし。洋書扱い店だとかで見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいまし。
2008年2月3日日曜日
「考える」を「オシャレに」すると
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