Sainte Colombeのカナ表記自体に問題があるのかもしれないが、ムシュー・ド・サント=コロムという作曲家でありヴィオラ・ダ・ガンバ奏者だったフランス紳士のことは、あまり知られていないようである。「ちょっと調べてみました」程度の範囲ではあるが、本国フランスでもあまり知られていないようだし、英語の情報も限られている。日本語の情報源に至っては、ジェラール・ドパルデューら出演の映画以外のことはついに発見できなかった。日本版のDVDも絶版のようで、アマゾンでも大プレミアが付いている。で、この映画の主人公はマラン・マレで、サント=コロムさんはマレさんの師であったということだが、ぼくはこのマラン・マレが誰かも知らない。ガンバにしても、フランス語なのでヴィオールになっているが、大体ムシューと来られては、知らない人にはそれが作曲家の名前にすら見えないと思う。その後の調べでどうやらファーストネームは「ジャン」らしいことが分ったが、音楽史家の間でも<これが決定版>という情報はないらしい。どうやら、<謎に包まれた>作曲家のようだ。
というわけで先日、ちょっとした因縁でムシュー・ド・サント=コロムのヴィオールのCDを入手した。しかしこれ、ちょっと面白い内容である。タイトルは「Pièces de viole」。2005年に、ベルギーで録音されたものである。パオロ・パンドルフォというガンバ奏者とテオルボのトマス・ボイセンによる演奏。17世紀後半の音楽ということで、バロックではあるが、ちょっと耳慣れない音楽だ。というのも、なんとなく<新しい>からである。こういう音楽は現代に作曲されたものにも似たようなものがある。下手したらどこぞのBGMにも聞こえるが、決して安っぽいものではない。ギターとガンバという組み合わせも、なんとなく知っているような気がするのに、まったく聞いたことのない類いの音楽として体現されている。といった感じで俄然興味がわいた。まずは「めぐり逢う朝」から始めて見ようと思う。しかしこれ手に入るかなあ。
2008年2月6日水曜日
まだ観てない「めぐり逢う朝」
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