2007年11月5日月曜日

削ぎ落とされたもの

スピタルフィールズ・マーケットは改装前の雑多な感じが好きだった。が、ちょっと丸の内っぽい雰囲気に突如現れる、一癖も二癖もあるお店が楽しいので、高層ビルが乗ってても「許す」みたいなものはある。マーケットは日曜だが、平日も営業しているお店もたくさんある。じゃ、気に入っているお店を何軒か。今回は「お茶とお菓子」編。


ティー・スミスはかろうじて古い建物の中に納まっているが、中は至極モダンである。そのはず、内装は建築家でもあるオーナーの奥方とジョナサン・クラークの手によるもの。そんなことおくびにも出さないところがまた「洒落でやってなんか断じてないな」を伺わせる。肝心のお茶の方だが旨い。めっぽう旨い。香港で二夏かけて修行、開拓に1年半かけたんだそうである。なにより、桂花烏龍、鉄観音だとかの台湾のお茶が飲めるのは、ロンドンでも少ない。お茶うけもウィリアム・カーリーという2007年度英国ベストショコラティエ賞をもらったパティシエの手によるもの。

モンテズマというのは15世紀、第5代アステカの皇帝の名前である。アルゼンチンやコスタ・リカに行くとモンテズマという地名があるようだが、イギリスのチョコレート屋さんがなぜこの名を冠しているのかまでは分らない。1キロチョコだとか、まな板のようにでかいチョコを割って量り売りというものもありつつ、尋常なトリュフの種類も豊富だ。就中、唐辛子入りのダークチョコは逸品である。ココアはちょっとマッシュルームドリンクのような味がするので好みが分かれるところかもしれないが。

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