2008年3月28日金曜日

アリストテレスの、かの言葉

イギリスのレーシングドライバー、スターリング・モスの言葉に、「男性なら、自分が下手だと認めたくないものが2つある」というのがある。それに続く<その心は>の部分に、大きな意味があるわけだが、アリストテレスの言葉にも打たれるものがある。ぼくはギリシャ語は読めないので英訳だが、

“Happiness is self-contentedness.”

というやつだ。これも、かなり日本語になりにくいと思う。文字通りの意味を拾えば、「幸福とは、自己満足である」になりそうだが、これでは誤訳に近い。英語のself-contentednessは、日本語の自己満足にあるような、否定的なコノテーションが強くないのだ。満ち足りている、というのがcontentedだ。待てよ、と、ふと思い出したのは龍安寺の蹲いである。「吾(われ)唯(ただ)足るを知る」。これがもしかしたら、時と文化を超えて共有された叡智だったのかもしれない。現代日本語にはなりにくいけど、何百年も前に言ってた人がいるんだから、今更知恵を絞ることもないのかもしれない。達観とは、決して諦念ではないのだ。

ところでスターリング・モスの「オチ」だが、「運転とメイクラブ」である。いやー、そうかも知れない。ううーむ、実に全くそうかもしれない。

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