魚をグラタンに入れるという発想が、またすごいと思った。使うのは、イギリスではどこのスーパーに行っても真空パックで売られているのだが、燻製の鯖である。ぼくは腸だけ外されているのを日曜市場などで仕入れているのだが、スーパーの骨も抜いてあって頭と尻尾まで外してあるものなら、皮を剥いてほぐすだけ。
タイミング的にはパスタを茹でるお湯を沸かすところから始めて、パスタを茹でるのと同じくらい大きいお鍋でホワイトソースを片栗粉で(小麦粉ではなくて)作るところから、このグラタン作りは始まる。なぜかというと、後でソースに茹でたパスタを混ぜるからである。というわけで大きめの鍋にバターと片栗粉に粉からしを小さじ1杯程度加えたものを炒めて、ナツメグを40往復くらい削り、牛乳で伸ばしてホワイトソースにする。イギリス風に決めたい場合、洋からしは、やっぱりコールマンかなあ。粒マスタード入れてもおいしいんだけどね。で、このホワイトソースにチェダーチーズをおろしたものを一掴みくらいと、ざく切りにした生のトマトかプチトマトと、先ほどの「ほぐし鯖」を混ぜてから茹で上がったパスタを混ぜて、オーブン皿に移してパルメザンとブランフレークを砕いたものを散らして200℃くらいで20分も焼くと完成である。オーブン料理なのに、作り始めてから30分以内で食卓へ、である。鯖にも脂が乗ってるし、冬においしい料理だが、イギリスはコーンウォールの沖で獲れる近海の鯖が実は夏ごろ旬なので、暑い時期にハフハフ食べるのもおいしい。トッピングのブランフレークはたまたま義母が常食していたからというのが理由のようだが、コーンフレークでもパン粉でも、極端な例なら「おせんべ」でもいいかもしれない。ビニール袋に入れて、すりこ木で叩いて粉にならない程度に砕く。カリカリした食感が決め手である。パスタはペンネ・リガーテとかフジッリとか、ある程度の大きさがあってソースの絡みがいいものが適していると思う。
ところで、日本では燻製の鯖が手に入りにくいと思う。青魚系で燻製になっていて、骨が少ないもののほうがこの料理にはいいかもしれない。あるいは、鯖の文化干しみたいのが入手しやすい代用品か?お菓子の缶に穴を開けて、中に大鋸屑とハーブを入れてガス台の上で20分ほど燻すだけでも燻製は作れるので、燻製の鯖を作るところから始めるというのも一興かもしれない。それに、ほぐした鯖の<剥いた皮>を捨てちゃったりしてはいけない。トースターとか魚焼きグリルなんかで炙って食すべし。
2008年3月10日月曜日
後世に伝えたい義母のレシピ:薫製鯖のグラタン
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