チベットの動乱も悲しいし、アーサー・C・クラークが亡くなったというのも大きなニュースではある。が、今日一番悲しいのはアンソニー・ミンゲラの急逝だ。まだ54歳の若さだった。今晩試写会の開かれるThe No. 1 Ladies Detective Agencyが遺作ということになってしまった。「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ラブ・アクチュアリー」でもお馴染みのリチャード・カーティスとミンゲラのコラボということで注目していたのだ。製作発表されたばかりだったThe Ninth Life of Louis Draxはお蔵入りだ。それほど本数は撮っていないが、いい作品ばかりの監督だった。(そういえば、アンドレイ・タルコフスキーもそういう監督だが、タルコフスキーも54歳で亡くなっている。)
ぼくがミンゲラ作品の最高傑作だと思っているのは「リプリー」だ。ジュード・ロー、マット・デイモン、グウィネス・パルトロウにケイト・ブランシェットという豪華なキャスティングだけに終わらない、珠玉の名作だと思う。同じパトリシア・ハイスミス原作のルネ・クレマン監督作品「太陽がいっぱい」も好きだが、「リプリー」はリメイクではなく、まったく別のエンティティだと思う。妻は、91年のデビュー作「愛しい人が眠るまで」が印象に残った生まれて始めての映画だったという。今日は追悼の意味も含めてミンゲラ作品を静かに観ようと思う。候補は、「イングリッシュ・ペイシェント」とまだ観ていない「こわれゆく世界の中で」。明日の朝が、多少辛かろうとも。
2008年3月18日火曜日
めずらしく感傷的な日
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