プリンス・チャールズという名前の映画館。皇太子とは、実は
全く何の関係もないらしい。というか、どこからもスポンサーされていない。公共事業だとか、宝くじの収益でアートに投資するというHeritage Lottery Fundだとか、そういうところとは無縁なわけだ。本当の意味でのインディペンデントの映画館としては、プリンス・チャールズはイギリスでも唯一だそうである。一般館で「しまったー、見逃したー、もう終わってるー」という作品は、ここで安く観れるので、たまに利用している。
ここは所謂、二番館というやつである。「ああ、懐かしの池袋文芸座」的なノリだろうか。賞味期限は切れていないが、初公開からやや時間の経っているタイトルが主に上映されている。しかも、日替わりで一日に4本程度の作品。会員制ではないが、入場料はメンバーであるか否か、平日か夜間などで大きく変わる。それでも週末の晩など一番高くても4.5ポンド、まあ1000円ですわね。ぼくがロンドンに住み始めた1993年には1ポンド50ペンスで映画が観れた。今でもメンバーになって、月〜木の昼間の回ならこの値段である。情報誌の値段が10年で2倍になるなど、平均で年に3%のインフレを続けているイギリスでこの値段は驚異的である。場所は有名なレスタースクエアの外れ、中華街との境界線当りに位置するが、この区域にある普通の映画館は12ポンドから17ポンドくらいの入場料だ。映画観るのに、4000円かよ。
ちなみに今回プリンス・チャールズで観たのはジュリー・デルピー監督、脚本、主演、編集、音楽という「Two Days in Paris」である。「デルピーさん、マルチだねえ」というのは抜きにしても、要所要所はけっこう面白かった。
2007年12月20日木曜日
皇太子の映画館ではなく
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