2007年12月19日水曜日

ジュースはダスキン

お掃除用具の会社ではなく、カンタベリーという大司教のいる街の近くにあるリンゴの農園の名前なわけで。ミカンの採れないイギリスではフードマイレージ/カーボンフットプリント的な面などでオレンジジュースはなるべく控えるとして、ジュースは「リンゴのおいしいイギリスでこそやっぱりアップルジュース」、というものである。この、カンタベリーというのはケントという地方にあるのだが、ケントはロンドンから一番近くに生産農家のある区域のひとつである。それに、ダスキンのジュースはスーパーのパック入りのと違って熱処理も過度な殺菌もされていない。それでスーパーのものと変わらない値段。大体、ダスキンのジュースよりおいしいジュースは、ぼくは知らない。

リンゴにはいろんな種類があるが、イギリスで最も人気な品種のひとつはコックスだろう。イギリスのリンゴは日本のそれと比べて小振りで、おやつで丸ごと一個食べられちゃうくらいのちょうどいい大きさ。日本の(紅玉以外は)甘いもの一辺倒的な傾向と異なり、酸味のほどよいものが人気のようである。コックスは特に、日本の品種であれに近いものはちょっと思いつかないという甘み、酸味とも独特なもので、ロンドンに住んでいたことのある日本の友だちからのリクエストで一度日本に密輸したこともあるくらいである。

ブラムリーという、調理にしか使えない(生では食べられない)リンゴなんてのもある。皮は緑で、あれを真顔で食べられる人がいたら見てみたい的に、生だと酸っぱい。これまた隠れファンの多い伝統的なイギリスのデザート「アップルクランブル」というのはこれで作る。豚肉のソテーに添えるソースがリンゴなのだが、これもブラムリー。

で、ぼくが一番気に入っているのは、エグルモント・ラセットという茶色いリンゴである。1872年には記録に現れ始める比較的古い品種だが、見た目も味も、ちょっと梨っぽい。ラセットというのは茶色のシェードのひとつで、エグルモントというのはヴィクトリア王朝期の植物学者でもあった開発者のエグルモント卿に因む。ゴールデンデリシャスはアメリカのものだったり、そもそもニュージーランド産でイギリスでも国内生産が盛んになってきているロイヤル・ガーラなんてものもあったりするが、ダスキンのジュースはここら辺の種類はすべて網羅している。そして見事に、それぞれの品種の味がする。ちなみにゴールデンデリシャスは食べてもおいしいものではないと思っていたが、ダスキンのジュースなら飲める。

ちなみに、ぼくはダスキンのジュースを良く行く自然食品店で買っている。道を挟んで反対側の八百屋さんでも売ってるのだが、自然食品店のほうが若干安かったりも、するわけで。

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