2007年12月18日火曜日

テレビなのに「ファニー・ヒル」

まさかこれがテレビ化されるとは思わなかった。正式タイトル「Memoirs of a Woman of Pleasure」、1748年に出版された文学作品だが、ちょっと曰く付き。作者はジョン・クリーランド、通称は主人公の名前から取られた「ファニー・ヒル」である。

で、初手から隠語というやつで恐縮なのだが、イギリス英語では女性器をファニーという。勘のいい人はピンと来たであろう語源であるが、この作品にあやかって、なのである。アメリカ英語では、カタカナで言うウェストバッグのことをファニーパックというが、イギリス人が聞いたら赤面ものである。ちなみに、イギリス英語のウェストバッグはバムバッグ(おケツバッグ、くらいの意味ですな)という。概念的にはどっちもどっちのような気は、しないでもない。

で、また話が飛ぶようだが、アンドリュー・デイヴィスの名前は知らなくとも、コリン・ファースの「高慢と偏見」は知っている人も多いのではないだろうか(「ブリジット・ジョーンズの日記」は、これを観ていた作者のヘレン・フィールディングが元にした、という作品である)。BBCが1995年に制作したミニシリーズだが、この脚本家がアンドリュー・デイヴィスなのだ。いつも質の高い脚本を提供してきているデイヴィスだが、最新作が「ファニー・ヒル」である。チャールズ・ディケンズ、ジェイン・オースティンなど、古典のテレビ化では、この人の右に出る人はいない。テレビ版の「エマ」はグウィネス・パルトロウ版の数百倍くらいはいい出来だと個人的には思っているのだが、このテレビ版の脚本もアンドリュー・デイヴィス。ちなみに主演は(作り物っぽくなってしまう前の)ケイト・ベッキンセイル、当時から堅牢な演技だったサマンサ・モートン。日本語版は出ていないようであるが、機会があったら、ぜひ。

ところでこのBBC製作「ファニー・ヒル」、ことに及んでいるシーンがかなりグラフィックに映し出されている。放映時間も午後の9時である。おいおいおい、子供も観ちゃわないかい?そりゃ確かに、フランスではテレビで「愛のコリーダ」が放送されたりするけどさ(夜中とはいえ、フランスってすげえ国だなあ)。

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