2007年12月14日金曜日

放し飼いでお願いします

ぼくがロンドンに来てすぐの頃は、「卵は生では食べないでください」が当たり前だった。<朝ご飯に生卵>という習慣はイギリスにはないので、それまではそれほど話題にもならなかったのかもしれないが、サルモネラだとかってやつだろうか、卵如きでこんなにすごいことになるのか?的な激しい食あたり。

それでもその後、衛生面ではメレンゲだとか「生で消費する可能性のあるものは、お気をつけ下さい」くらいのことは保険局も言っていることが分ってきた。でも、気をつけるって、何をだ?日本には生で食べられない卵なんて売ってないぞ?90年代も半ばに入ると環境面での論議も言われるようになってきて、卵にもいろいろ種類があることが分ってきた。

養鶏場の卵と、放し飼いの卵で、大きな違いあるのだ。イギリスの卵は、一部の例外を除いてすべて茶色である。違いは殻の色ではない。Barn Eggというのがヤバい卵で、Free Range Eggという、放し飼いの鶏が産んだ卵なら大丈夫なのだ。しかし話は、食あたりだけではない。鶏に一生羽を広げさせない、外に一歩も出さない生産者がヤバいのである。

そこでこのfree range reviewである。リバー・コテッジでもchicken out!というキャンペーンを展開中だが、9月に食べに行ったとき、「第二の人生チキン」という養鶏場から救ってきて、放し飼いにしてきっちり大きく育てた上で食卓に、というものを提供していた。シェフが見せてくれたのだが、そのちきんは小型の七面鳥くらいの大きさだった。

というわけで、ぼくはBarn Eggは買わない。養鶏場を、儲けさせてはいけないのだ。放し飼いの卵で、以後食あたりしたこともないし。鶏肉にもこの原則を適用している。ベジタリアンになる勇気はまだないが、動物を殺さなければならないなら、いい人生を送った動物を食したいと思う。

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