お茶が好きである。常に、数十種類のお茶が棚に並んでいる。イギリスは紅茶の国でもあり、華僑パワーも炸裂しているし、南アフリカだって旧宗主国なのでルイボスもお手の物だが、ロンドンで手に入る日本茶は上から読んでも下から読んでもみたいなやつで、これといって特別なものではない。まあ、おいしくないわけじゃ、決してないんだけどね。いずれにせよ、ロンドンでは手に入らない、すごく気に入っているお茶があるのだ。前にも書いたことがあるが、フードマイレージだとかカーボンフットプリントみたいなことは若干気になりつつ、日本茶は京都から直輸入している。まあ、南アフリカだってインドだってそうだし、大体この国ではお茶は育たないのだ。
それはともかく一保堂茶舖のお茶である。抹茶、玉露、煎茶に番茶の類いまで、日本茶はほとんど一保堂だ。麦茶だとかほうじ茶とか、そういう「どこのでも一緒だろう」っぽいものでこそ違いが分る。ぼくは関東の人間なので、一保堂のことは比較的最近まで知らなかった。そろそろロンドン40年という大阪の人に教えていただいたのが、前世紀末頃のことである。一口で言って、「う、うめえ」というのが第一印象だった。爾来できる限りお茶は一保堂にしている。昨年末はいつもの煎茶だとかのほかに大福茶と、まだ試したことのなかった京番茶を仕入れてみた。商品名は「いり番茶」である。
しかしこの「京番茶」だが、ぼくは始めてだったのでものすごくタバコくさく感じた。箱を開けて、包装紙にまでしっかりと染み込んでいた<タバコの香り>で、妻は「頭痛がする」といって袋を厳重に3枚かぶせて廊下に出したくらいだ。ラプサンスーチョンは好きな紅茶のひとつだが、京番茶はいただけなかったらしい。確かに、ものすごく独特な香りである。しかしそれも、いれてしまえば実にさわやかな芳香に変わる。まあ、ゆっくりめにいただいていきたいと思う。
それにしても、一保堂の抹茶の包み紙は芸術的である。京都の本店に足を運んだとき、包んでいるところを目の前で見ていたのだが、どうやって包んでいるのか全く分らなかった。いつも開けるとき、なんだか恐れ多いような気持ちになる。ちょっと躊躇ながら破らないように解くのだが、それも含めて一保堂のお茶は楽しい。
2008年1月15日火曜日
京番茶の悲劇
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