2008年1月22日火曜日

「ラスト」は「色」

「ロード・オブ・ザ・リング」のロードはroadではなくてlordである(頭のTheだとか、ringsの複数形の「s」はともかくとして)。「スター・クレイジー」のスターはstarではなくてstirである。アン・リー監督の最新作は「Lust, Caution」で、タイトルにコンマが入っている映画というのも珍しいが、中国語の元のタイトルは「色、戒」で、そもそもこっちに句読点が入っていたのだというのが分る。で、問題は、<邦題の表記の仕方>である。

大体「ホワット・ライズ・ビニース」だとか、映画の邦題だからといってなんでもカタカナで表記するという風潮はあまり親切でないと思う。件のアン・リーの最新作、邦題は思いっきりカタカナで「ラスト、コーション」である。読点は、入ってますね、どうやら。それはともかくこの<ラスト>はまず、ほとんどの人がlastだと思っちゃうんじゃないだろうか。確かに、カタカナではlastとlustの発音の違いを表現するのは不可能だ。「クラッシュ」なんて、crashもあるしcrushもあるし、clashもあるからカタカナはこういうとき不自由だが、大体台湾人の監督の中国語の映画で、英語のタイトルをそのままカナ表記するということ自体、芸がなさ過ぎるように思う。中国語の映画としてはぶっちぎりで世界一の成功作である同アン・リー監督による「グリーンデスティニー」だって、あの邦題じゃなかったらもっと日本で流行ってたんじゃないだろうか。「Lust, Caution」だって、「色」を「lust」とするセンスは、英訳の際にはあったわけである。「Road to Louisiana」が「ルイジアナ珍道中」はそれ。「メリーに首ったけ」みたいな邦題だって、あるわけだし。

それにしてもこれを書いている途中で出くわしたのが、ヒース・レジャーの訃報。アン・リー繋がりで行けば、「ブロークバック・マウンテン」でオスカーにもノミネートされていた期待の若手だった。享年28歳。ご冥福をお祈り致します。

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