2008年1月8日火曜日

ルーマニア映画の台頭

カーゾンという映画館のグループがある。メインはメイフェアという高級な場所にある。日本大使館、ものすごく高級なマンションみたいなのが濫立している区域だ。リッチモンド、ソーホーにも映画館があり、ソーホー館の一階にあるカフェKonditor & Cookはコーヒーもおいしいが、直径15センチはあろうかという焼きメレンゲには行くたびつい手が出てしまう。ひとつめの修士を所得した卒業校の近く、ラッセルスクエア駅の反対側、ブランズウィックセンターに「ルノワール」というフランスの映画監督に捧げられた映画館がある。これもカーゾングループ。ここはほとんど月に一度くらいは必ず何かを観にいっている。今回はルーマニア映画「4ヶ月、3週と2日(英語の題は4 MONTHS, 3 WEEKS AND 2 DAYS)」の(ほぼ)独占上映だ。

ルーマニアの映画といっても、正直あまりピンと来ない。「THE DEATH OF MR LAZARESCU(「ラザレスク氏の最期」、日本未公開)」がおそらく巷間知られるようになった始めてのルーマニア映画だろうか。英語版ウィキペディアで調べてみても10年に数本くらいしか西欧に紹介されていないらしいことが分る。

今回観たのは「12:08 EAST OF BUCHAREST」。コルネリウ・ポルンボユ監督、2006年度カンヌ映画祭の新人監督賞であるカメラドール受賞作の「ブカレストの東、12時8分」である。元のタイトルは「A fost sau n-a fost?」だが、「あったのか?なかったのか?」くらいの意味だろうか。英語の仮題は「Happened or not?」だった。共産主義の崩壊、チャウシェスクが更迭された1989年12月22日の午後12:08を振り返るテレビ番組「本当に革命はあったのか?」にまつわる人間模様。この番組自体も、ものすごく素人がやってるように再現されている。ブレるカメラ、本番中に司会に話しかけるゲスト。それもそのはず、当初想定していたゲストが来れなくなって代わりに連れてきた酔っぱらいの大学教授と「職業:時々サンタ」のおじいさんに出演してもらうことになったからなのだ。この、完璧にはほど遠いゲスト選択に至るプロセス、番組の途中にかかってくる視聴者からの電話。ゲラゲラ笑うという種類のものではないが、これがもう、めっぽう面白い。日本での上映は未定のようだが、これは上映されたら一押ししたい作品である。2008年、注目すべきはルーマニア映画。 

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